2026 TDK 東京E-Prixでは、主に屋外エリアで使用する機材(レース車両の充電器やレース運営機材、ナイトレースの照明器具など)に使用する電気を仮設発電機で発電しています。そして、この発電機では、CO2排出量を最小限に抑えるために、HVO(Hydrotreated Vegetable Oil = 水素化植物油)と呼ばれる、より環境に優しいバイオ燃料を使用しています。
HVOは、従来のディーゼル燃料に代わる、安全で信頼性が高くコスト効率に優れた代替燃料で、フォーミュラEのサステナビリティ戦略において重要な役割を担っています。東京E-Prixだけでなく、ABB FIA フォーミュラE世界選手権の全開催地において、グリッドからの電力供給が十分でない場合は必ずHVOを使用しています。
<HVOの定義と製造方法>
HVOは、植物油や廃食油と水素を高温高圧で反応させて生成される合成燃料です。このプロセスは「水素化処理」と呼ばれ、酸化に対して安定した性質を持つ燃料を生み出します。HVOは、従来のバイオディーゼル(FAME)に比べて特に低温域での性能が優れており、軽油とほぼ同等の性質を持っています。
<特徴と利点>
環境への影響:HVOは、原料の生産から燃料までのライフサイクル全体を通じて、従来の経由と比較して温室効果ガス(GHG)排出量を最大90%削減できる可能性があります。
使用の柔軟性:HVOは、既存のディーゼルエンジンにそのまま使用できる「ドロップイン型燃料」であり、特別な設備投資を必要とせずに導入できます。
保存性:HVOは酸化や劣化に強く、長期間の保存が可能です。また、硫黄分を含まないため、PM(粒子状物質)の排出が少なく、クリーンな燃料です。
<用途>
HVOは、輸送用トラック、フォークリフト、建設機械、船舶、自家用発電機など、軽油を燃料とするすべてのディーゼルエンジンで利用可能です。特に、非常用発電機の燃料としても適しています。
HVO燃料は、持続可能なエネルギーの選択肢として注目されており、今後のエネルギー政策において重要な役割を果たすと期待されています。